「足に花粉を」
朝の薄日の野ゲシ花(ばな)
小さな蜂の足付けね
小さく丸い花粉二粒(ふたつぶ)
<狐アザミ(Kitsuneazami)>
「雨音」
夜の雨さんガラスを叩(たた)く
この響き
夏の響きか春なのか
<芝桜(Shibazakura)>
「若草の露」
昨夜の雨は玉となり
柳の若葉を染め上げて
朝日に眩(まぶ)しい銀の玉
<アヤメ (Ayame)>
「春残り」
五月中旬 月丸く
風 黄昏(たそがれ)で身にしみて
月はおぼろに春残り
<スズラン(Suzuran)>
「ムクドリの朝ご飯」
原っぱ一面 春ジオン
ムクドリさんの朝食は
摘(つま)んで置いて頭振り
<キュウリ草(Kyuurigusa)>