「雨粒」
松葉を飾る雨粒は
水銀灯を透(す)かしつつ
夜空の星が舞い降りて
<牡丹(Botan)>
「五月の朝」
水は動いて姿をなして
空気も動いて薫(かお)りだし
そんな五月の朝早く
<牡丹(Botan)>
「ホオジロ」
ホオジロも
口べた治る
五月末
<牡丹(Botan)>
「五月の夕方」
日暮れた風が楽しめて
青みが残る空の上
夏の近づき肌が知り
<牡丹(Botan)>
「烏(からす)の落ち羽根」
遠くでキジがけーんけん
烏の黒羽落ちていた キノコの側(そば)に落ちていた
朝日を浴びて黒光り
<牡丹(Botan)>