「烏(からす)の散歩」
餌(えさ)など気にせず
のんびり散歩
尻尾(しっぽ)振り振り水平に
<鳳仙花(Housenka)>
「砂浜」
陸では既に秋風変わり
そこにはビキニと熱気がこもり
ぽつんと残る波と砂
<ヘクソ葛(Hekusokazura)>
「逃げ水」
逃げ水の鏡は刹那(せつな)
何を映(うつ)すと目を凝らし
夏の魂(たましい)見せつけられて
<アメリカ山ゴボウ (Amerikayamagobou)>
「港」
港のタワーが目立たぬほどに
広くてくすんだ風景は
工業社会の写し絵の
<栗(Kuri)>
「夾竹桃(きょうちくとう)」
真っ白に焼けた道がよく似合う
そこから精気を吸い取って
夏のピンクを前に出し
<雌待宵草 (月見草) (Mematsuyoigusa (Tsukimisou))>