「紋黄蝶(もんきちょう)」
曇った朝の紋黄蝶ジグザグ飛んで何処に行く
お腹(なか)いっぱい蜜いっぱい
休んだところはアスファルト
<菊芋(Kikuimo)>
「九月上旬」
星冴(さ)えて 月冴えて 肌寒く
虫の合唱
力を帯(お)びて
<菊芋(Kikuimo)>
「雨のコオロギ」
雨のコオロギ何処で鳴く
ころころコロと羽震わせて
辺(あた)りに霧を漂(ただよ)わせ
<カンナの葉の水滴(Suiteki)>
「雨粒」
窓に残った雨粒さんは
ヘッドライトに光り玉
一瞬後には穏やかに
<狐の孫(Kitsunenomago)>
「筒の中まで」
網通し
暗い筒まで
茂る蔦(つた)
<狐の孫(Kitsunenomago)>