「夜の窓ガラス」
外は闇(やみ)
蛾(が)や蜻蛉(かげろう)の
見本市
<雌待宵草 (月見草) (Mematsuyoigusa)>
「朝のコオロギ」
朝のコオロギ転(ころ)がして
露はいっぱい草光り
喉(のど)を潤(うるお)し高らかに
<メド萩 (Medohagi)>
「上着を着ての」
上着を着ての虫の声
ここが入り口
虫季節
<メド萩 (Medohagi)>
「ススキの穂」
若い穂たちは海老(えび)茶色
微(かす)かな風に身を任せ
それは見事な曲線美
<菊芋(Kikuimo)>
「雨がガラスを」
乾いた音で雨がガラスを
部屋の中での夏さんに
外の涼気に気付くよう
<豚草(Butakusa)>