「曇り空でも」
雲の光をすべて集めて
草の露さん
眩(まぶ)しくて
<トンボ草(Tonbosou)>
「蛍」
蛍を見たのはいつの日か
ぼんやり光の形無く
記憶に溶け込む夏光
<トンボ草(Tonbosou)>
「黄色の蜜」
月見草 昨日の夜風にくすぐられ
澄んだ黄色を飲み込めば
それは天国 蜜の味
<トンボ草 (Tonbosou)>
「博物館」
だあれもいない博物館
これはまるで貴賓(きひん)のようで
静かに静かにゆったりと
<露草(Tsuyukusa)>
「七月終わり」
七月終わりは秋の雲
烏(からす)が一羽煽られて
真夏の気配はすぐそこに
<露草(Tsuyukusa)>