「地面の汗」
刈られた芝の微(そよ)風は
地面の汗の
香り乗せ
<百日紅(Sarusuberi)>
「ホオジロの」
一筆啓上奉る
囀(さえず)る相手は
寝ぼけ眼(まなこ)の月見草
<百日紅(Sarusuberi)>
「夕焼け蝉(ぜみ)」
夕焼け紅(あか)く蝉の声
悲しさ漂(ただよ)い
立秋 既に
<オオバコ(Oobako)>
「春の午後のような」
真夏日の朝の時間でありながら
気持ちも気温も
春の午後
<百合(Yuri)>
「混在」
日が暮れてじっと汗ばむ部屋の中
点滅飛行機背景に
夜を彩(いろど)る虫の音が
<百合(Yuri)>