「朝のトンボ」
朝のトンボはカンナの花に
寝ぼけ眼(まなこ)をくるくると
フラッシュ炊いても飛び立たず
<葛(Kuzu)>
「蒸し暑さ」
気温は真夏に負けるけど
むしむし迫る蒸し暑さ
腕に留(と)まった蚊も元気
<葛(Kuzu)>
「ミクロネシア」
珊瑚(さんご)の白い砂の上
一つぽつんと椰子(やし)の実 休み
昼寝の間に青葉を伸ばし 飛沫(しぶき)とそよそよ戯(たわむ)れて
<稲(Ine)>
「入道雲」
盛りを過ぎた夏の日は
入道雲さんもくもくと
控(ひか)えめに松の梢(こずえ)に顔覗(のぞ)かして
<稲(Ine)>
「稲光(いなびかり)」
今年初めて顔出して
音無し光は闇の中
一瞬そして一瞬を
<林檎(Ringo)>