「茜(あかね)雲」
黒々松のシルエット
頭にぽっかり薄茜
こんなに穏(おだ)やか六月の夕
<父子草(Chichikogusa)>
「六月下旬」
夕風が気持ちよくなり
昼の日差しの激しさを
すっかり流す六月下旬
<ドクダミ(Dokudami)>
「夏至の陽(ひ)」
夏至の陽は
厚い雲さえ気にせずに
せっせせっせと熱波を送り
<紫陽花 (Ajisai)>
「タバコの煙」
タバコの煙は何処に行く
行き先知らずに
美を奏(かな)で
<百合(Yuri)>
「日焼け」
二週間後に薄皮剥(む)けて
出てきた肌も
黒光り
<クチナシ(Kuchinashi )>